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手作りグラスができるまで

ガラスの原料は硅砂、ソーダ灰、石灰などです。クリスタルガラスは一般的に酸化鉛が含まれます。うすはりグラスは製造工程で発生する微量な鉛の水質汚染を考慮してバリウムを使用し鉛フリーを実現しました。

原料は約1400度で溶解され、真っ赤に溶けたアメ状のガラスとなります。グラスは卓越した技能を持つ現代の名工、東京マイスター及び江戸硝子伝統工芸士などにより全て手作りで制作されます。パイプに溶けたガラスを巻き取り金型で形を整えます。その後徐冷炉でゆっくりと冷まされたグラスは検査を通り、不要な部分を切り離します。切り口を研磨した後にバーナーで滑らかにし、再び検品されます。

品質には十分注意しておりますが原料を溶解する際に発生する微細な気泡などが混入している場合もございます。しかし、これこそが手作り硝子の証しです。ご使用にあたり問題はございません。

グラスを洗う時は、他の食器とは別にして中性洗剤などで優しく手洗いして下さい。研磨剤入りのスポンジ、クレンザー、金属たわしなどを使用しますと、ガラスに傷が付き破損の原因になりますので、ご使用にならないでください。指輪などでもグラスに傷が付く場合がありますのでご注意ください。食器洗浄器は機種により高温水でグラスが破損したり、洗剤(強アルカリ性)によってはグラスが曇る場合がありますのでご使用はお勧め致しかねます。グラスの内側を洗う際は、十分にご注意ください。内側から力を入れてひねり洗いしますと、破損して思わぬ怪我をする恐れがあります。柄付きのスポンジ等のご使用をお勧めします。

どうぞ末永くご愛用くださいませ。
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硝子を溶かす堝(ツボ)の形
硝子を溶かす堝は、使い方によって、工場や工房によって形も違い、なんと一つひとつ手作りなのです。最近では堝を作れる職人さんも少なくなったとか。

まったく目に触れることのない、機能目的に作られる堝なのですが、その曲線はとてもやわらかく美しいのです。松徳の堝は猫堝タイプ。蛸堝と呼ばれる形があるのは大野さんのノートで知りました。

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日本の近代硝子工業史
明治9年(1876)に品川硝子製作所が設立されました。最初の製品は舷灯用の紅色ガラスで、佐賀藩のガラス工場から来た藤山種広が製造を担当しました。明治12年(1879)には食器、その他日用品のガラス器の製造を始め、12月に化学実験所を設けて鉛丹と炭酸カリウム製造を兼業するようになりました。明治15年には英国の技師エマニュエル・ホープトマンを雇用、切子加工の技術が日本人に伝えられました。

 明治初期から中期にかけて、官業、民間など多くのガラス会社が設立されては、技術の未熟、品質、価格、供給過剰などにより長続きするところは少なかったのですが、これらの工場で技術を磨いた職人の多くは後に独立し、熟練の技術が伝えられてガラス工業の基礎を築くこととなりました。

 明治も中期になるとガラス工業も発達し、23年(1890)頃には東京、大阪、名古屋などで多くののガラス工場が稼動していたといわれています。明治後期はガラス業者の盛衰消長の著しいときでした。しかし明治末から大正にかけて工場は激増し、ガラス工業の発展は目を見張るものがありました。

■昔の名前
明治初期頃のガラスの呼称、「玻璃」「瑠璃」「ビードロ」「ギヤマン」などと呼んでいましたが、西洋文明の多くがイギリス、ドイツから多く入って来たことから、品川硝子製作所が設立された明治9年(1876)頃からは、英語やドイツ語を語源とする「ガラス(硝子)」と一般的に称されるようになりました。

■硝子工場は川の近く
当時の硝子工場は墨田区、江東区、江戸川区、品川区などに多く設立されました。これは燃料の石炭を運搬するのに主に舟を利用していたため、水路が発達した地域の川縁に工場が集中することとなりました。松徳硝子の近くにも横十間川があります。


※「大野さんの思い出ノート」より
大野さんは昭和22年に松徳硝子に入社した絵の上手なガラス職人です。現在は退職し、当時の貴重な思い出をその卓越した筆使いで記憶をスケッチし、「思い出ノート」としてつづってくれています。工場取材にいらっしゃる編集者さんにお見せすると、みなさんそのクオリティに驚愕されます。とても味のあるイラストなので、折々に紹介していきます。
| | 13:58 | comments(0) | - |
クリスタルガラスとは?
BC.300〜320年にフェニキアの行商人が炊事のため焚き火をしていた時に硝石が砂と融合してガラスを発見したと言われています。当時はガラスが宝石のように貴重品でしたが、後にベネチアンクリスタル、ボヘミアンクリスタルへと発展しました。無色透明なガラスを広くクリスタルガラスといい、いまだにクリスタルガラスの国際基準は確立されていません。

 16世紀にはイギリスで含鉛クリスタルが発明され、研磨及びカット加工が容易なことから普及しました。しかしながら製造工程や研磨、カット加工の工程で鉛が溶出し、水質に悪影響を及ぼす事から北欧ではすでに製造されていません。

参考文献:(ガラス製造の現場技術 日本ガラス製品工業会発行

松徳硝子(株)では環境に配慮して平成18年より含鉛クリスタルの製造を全面的に中止し、バリウムクリスタルの製造に切り替えました。透明度や質感は殆ど違いがありませんが、ガラスの硬度が若干高いため研磨及びカット加工にはやや不向きです。しかしながらその分キズが付きにくく壊れにくいというメリットがあります。

■ 色々なクリスタルガラス
1. カリクリスタル
2. 鉛クリスタル
3. バリウムクリスタル
4. チタンクリスタル
| | 13:52 | comments(0) | - |

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