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窯炊きの仕事
大変多くのご反響及びご注文を頂き、製造が追い付かず多々ご迷惑をお掛けしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。日々鋭意製造しておりますので、しばしお時間を頂ければ幸いに存じます。

猛暑&多忙の日々ですが、本日は、製造現場から「窯炊き」の仕事をレポートします。

「窯炊き」と聞いてピンとくる方は、一部のガラスマニアな方や業界の方以外は、少ないのではないでしょうか。窯炊きは、「火夫」とも呼ばれ、職人の製造作業が終わる夕方から翌朝にかけて、ガラスの原材料を窯に投入し、明日の作業開始に向けて溶解しタネ(ガラス)を仕込む専門の職人です。社内では「窯炊きさん」と「さん」づけで呼ばれリスペクトされてたりします。


また、1,400度近くの高温で窯を焚き続けるガラス工場は、24時間365日その火を止めることはありません。一度火を止めると安定した高温状態まで持っていくのに2週間近くかかる為、火を止めることは出来ない為です。この常時燃焼し続ける「窯」の番人こそが、窯炊きです。

基本的に、手吹きガラス工場の製造現場に残業はありません。「なんで!?残業してでもガンガン作れば良いのに!」とご質問を頂くのですが・・・この窯炊きによるタネの仕込みに十数時間も要する為、仮に作業時間が2時間ずれ込むと、窯炊きの仕事も2時間遅れでスタートとなり、タネを仕込むのに要する時間は短縮出来ない為、翌日の作業開始も2時間遅れと、単純に2時間ずれるだけという負の連鎖が発生してしまい、残業した所で総生産数には何ら影響しないからです。(逆に言えば、ここがガラス工場経営の非常に厳しい所なのですが・・・)

また、卓越した技を持った熟練の職人と言えど、タネがあってこその仕事です。ツボの中のタネがすっからかんだと、料理をするのに食材が無いことと同じで全く仕事にならないので、毎日一定量のタネを丁寧に仕込む必要があります。また、翌日の生産量・品質は、タネで決まるといっても過言で無いほど、グラスの肌(表面)の質感・状態などにおいて、高品質なグラスを造る上で、窯炊きの仕事はとても重要な仕事です。吹きの職人もタネが良いと、その快適さから作業にリズムとスピードが生まれ、最高の品質とかなりの数量を吹き上げることが出来ると言います。窯炊きの仕事が脚光を浴びることは少ないですが、ガラス工場にとって、本当に本当に大切な仕事なのです。


窯炊きの主な作業としては、夕方の製造作業終了後、窯とツボの状態を見極めつつ、窯の中に埋められたツボへ数回に分けて、ガラスの原材料(珪砂、ソーダ灰、石灰、etc)を投入します。そして1,500度近くの高温で窯を炊き上げガラスを溶かします。タネを溶かすにあたり、高温で炊き上げる為、タネの状態は刻々と変化していきますので、温度管理はもちろん、チャージするタイミング、蓋をあけるタイミングの見極めがとても重要です。また、その状態は毎日変化すると言います。ここで、高い技術と長年培ってきた経験値が求められます。その後も明朝にかけて、タネの状態を見極めつつ延々と調整作業が続きます。おおよその作業時間としては、職人の作業終了後から明朝の作業開始まで。12時間を越える長丁場です。

このように窯炊きの仕事は、特に夏場は50度を越える灼熱の環境下で夜通し、窯とタネとガチンコで向き合う、とてもヘビーな仕事です。それを毎日するのですから、本当に頭が下がります。ガラス職人というと、どうしても吹き棹を持った職人が脚光を浴びがちですし、実際に彼らが花形なのですが、吹き以外にも大切な仕事は沢山あります。運び、仕上げ、洗浄、選品、梱包、出荷等の専門の職人はもちろん、今回ご紹介させて頂いた窯炊きの様に、数多くのスタッフの日々の努力により、職人の手から手へと渡り、ひとつひとつのグラスは作られています。モノ造りにおいて職人の手から手へと渡り、ひとつのモノが作られていくという過程は、とても素敵なことだと常々思います。
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